「超高級タワマン」の施工不良の問題。ゼネコンの施工管理が特に重要、という話

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マンション建築の専門家    東京の不動産系税理士の横川です。

ブログにお越しいただきありがとうございます!!

 

今日のyahooニュースのトップで大々的に取り上げられていました。
野村不動産 「超高級タワマン」のトラブルに購入者が大激怒

 

大手不動産会社が開発する大規模タワーマンションで施工不良が見つかったというニュースでした。
総戸数は716戸。清水建設が施工を担当していて、はたから見ると超大手×超大手で魅力的に見えますね。

 

実は僕、普段から都内でマンション建築のアドバイザーとして活動していることもあり、不動産開発会社がどの施工会社を使っているか、全部知っています。

 

野村不動産は2021年6月14日現在で、東京だけでも70棟以上の賃貸住宅を開発中です。
まさに超大手の開発会社ですが、使っている施工会社は様々です。
20社以上の施工会社を同時並行で使っているのですが、清水建設はその中の一社にすぎません。

 

今回、施工不良疑惑の出た「プラウドマンション」も、物件ごとに担当している施工会社は異なります。
規模の大きい施工会社でも大規模マンションの開発は一手に引き受けられないですし、人気であればあるほど忙しくて新規受注を断る施工会社もあるので、開発会社は同時並行で色んな施工会社に依頼せざる負えないという仕組みです。

 

野村不動産が依頼している施工会社は様々なので、プラウドマンションで問題が出たから他のプラウドマンションも同じ状況ということではないですし、他のプランドであれば大丈夫ということでもないです。

 

どの施工会社が担当している物件か。
これがいちばん重要です。

 

施工会社ごとにリテラシーや、どの程度まで建築基準や現場を厳しく進めていくかは会社の方針によります。
大手の施工会社だから大丈夫でもないですし、中小の工務店や建設会社でもリテラシーが高いところは普通にあります。
さらに言えば、同じ施工会社でも現場担当者の質にも大きく左右されます。

 

マンションを建築するうえでは施工会社の役割がいちばん重要です。
結局は下請け、孫請けに出すのですが、施工管理を担当している施工会社が「図面通りに造られているか」「工期通りに造れるか」などの責任を持ちます。
どこに下請けに出すかも施工会社が決めます。

 

今回問題が発生した高級マンションの施工会社は清水建設なので、清水建設の施工管理と下請け先の建築工事が良くなかった、という可能性が高いでしょう。
手抜き物件にあたらないように、建築主以上に施工会社を注意深く観察しましょう。

 

業界の闇の話です。
開発会社は凄まじい粗利を上げていますが、割安な建築費で一棟物件を開発し、そのしわ寄せが施工会社や下請けの建設会社にいきます。
業界構造的に「安くても品質は高く」を求められ、下請けの建設会社は瀕死になりがちなのが実態です。
下請けの建設会社は割安な建設費でやる気が出ない、そんなことはザラにあります

 

細かい手抜きなどはいくらでもありそうですが、今回はそれが大々的に報道される形になりました。
大手だから安心ではない、ということが今回も明らかになった気がします。
分譲マンションを開発している不動産会社は利益最優先のところも多く、そのしわ寄せが消費者 (区分マンションの購入者) に行く業界です。

 

不動産開発会社が割安な建築費で依頼 ⇒ 施工会社はその中で中抜き ⇒ 下請け先が割を食って品質問題や手抜きが起こる、この構図が蔓延しています。
大手の開発会社が担当する物件は一見すると品質が良い風に見えますが、実際には割安な建築費で建てられているケースもあるので、品質とは無関係です。

 

今回の問題では、下請け先で「外から見て分からないから内部のところは手抜きしてしまえ」そんな事態が起こったのかもしれません。
事実は分からないですが、いちばんの被害者はマンションの入居者や購入者です。
その方達の救済処置が行われることを願っています。

 

大手のブランド力に頼るとどれほど裏切られるか。
とくに不動産業界は、ブランドや社名で選ぶほど損をする業界なのです。
一生に一度の大きな買い物なので、失敗はしたくないですよね。

横川豊

横川豊

公認会計士・税理士

不動産に強い税理士
不動産投資のサポートで、相続不安を解消し個人の将来不安をなくすことを目標にしている。
土地活用コンサルティングが得意で、土地をお持ちの方の財産を守る総合コンサルティングが定評
クライアントからは「最後まで面倒を見てくれる」との声もあり、長期間に渡って付き合っていくという姿勢が評判。

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