土地を子や孫に名義変更するときの「贈与税」を大幅に削減する方法

土地からマンションを新築するサポートを通して土地の相続税不安をなくし個人の将来不安をなくす
マンション建築の専門家    東京の不動産系税理士の横川です。

ブログにお越しいただきありがとうございます!!

 

この記事は4月後半に書いていますが、変化の多い春もそろそろ過ぎゆこうとしています。GW (ゴールデンウィーク) もやってきますが、どうお過ごしでしょうか。
気持ちの良い毎日を過ごされているなら幸いです。

 

早速ですが

生前に土地を子や孫に名義変更したときは、贈与税、不動産取得税(3%)、登録免許税(2%)が発生します。
相続時に土地を子や孫に名義変更したときは、相続税、登録免許税(0.4%)が発生します。

上記のとおり、生前に土地の名義変更したときは、贈与税に加えて不動産取得税、さらに高利率の登録免許税がかかってしまいます。

 

「それでもなんとかして生前のうちに土地の名義変更したい」
「早い段階で子や孫に資産を継承していきたい」
「子や孫名義でマンションやアパートを新築したい」

そんな考えをお持ちの方もいらっしゃると思います。

不動産取得税(3%)と登録免許税(2%)は発生しますが、贈与税と相続税を比較したときに、贈与税の負担が少ないのであれば生前に土地の名義変更してもいいですよね。

今回は、生前に土地の名義変更するときの「贈与税」を削減する方法はないかな~という考えをお持ちの方には最適な内容になっています。

 

贈与税は税率が高く、税金負担が重い

生前に土地の名義変更をすると贈与税、不動産取得税、登録免許税が発生することはお伝えしましたが、とくに贈与税は税負担が重くなっています。

こちらは贈与税の税率表ですが、誰が誰に贈与するかによって2パターンに分かれています。
(国税庁HPからそのまま引っ張ってきたので少々見にくくなっていますよ~)

【一般贈与財産用】(一般税率)
例えば、兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などに使用します。

【特例贈与財産用】(特例税率)
直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)への贈与税の計算に使用します。

 

祖父母や父母が保有する土地を子や孫に名義変更するときは、税率が優遇されている【特例贈与財産用】の表を使いますが、なんと贈与財産が1,000万円以下でも30%の税率がかかります。

税負担が非常に重くなっているんですね。

生前に土地の名義変更したくても贈与税の税負担の重さで、諦めてしまう方が多いです。

なんとかして生前に土地の名義変更をして子や孫に資産を継承していきたい、良い方法はないかな~とお考えの方は、相続時精算課税制度を使うという選択肢もアリです。

 

相続時精算課税制度を使えば、贈与税を大幅に削減できる

生前に土地の名義変更したいなら、相続時精算課税を利用すると贈与税の負担を大幅に削減した状態で、次世代に資産を承継できます。

相続時精算課税制度とは、父母や祖父母が子または孫に対し生前贈与を行った際に、2,500万円までは贈与税がかからず、2,500万円を超える場合は一律20%の贈与税が課税される制度です。

相続時精算課税制度を使用すると、土地をお持ちの方が亡くなった際に、相続財産に過去の生前贈与分も合わせて相続税が課税されます。
⇒ つまり2,500万円以下の土地を贈与する際には贈与税はかかりませんが、相続時に生前贈与の分も含めてまとめて相続税がかかります。

 2,500万円までは贈与税がかかりませんので税金の削減のように見えますが、実質的には課税を相続時に先送りしているだけです。

でも、

贈与税は税負担が重いので土地の生前贈与が進まない状況のなかで、土地の金額が2,500万円以下の場合は、相続時精算課税制度を使用すれば贈与税を支払わずに土地の名義変更することができますよ (^ ^)

 

相続時精算課税制度を利用する際の注意点 (デメリット)

相続税精算課税制度を使用すると「小規模宅地等の特例」「贈与税の基礎控除」使用できなくなりますので要注意です。

「小規模宅地等の特例」は簡単にいうと、相続税評価額を大幅に減額できる制度です。

土地を住宅として使っていた場合 (特定居住用宅地) 、事業で使っていた場合 (特定事業用宅地) 、賃貸していた場合 (貸付事業用宅地) に分かれていて、具体的には以下のようになります。

特定居住用宅地:330㎡までの部分について、相続税評価額の80%まで減額
特定事業用宅地:400㎡までの部分について、相続税評価額の80%まで減額
貸付事業用宅地:200㎡までの部分について、相続税評価額の50%まで減額

例えば、保有する土地にマンションやアパートを新築した場合は、200㎡までの部分は相続税評価額を1/2とすることができるため非常に優秀な相続税削減策ですが、相続時精算課税制度を利用した場合は使用することができなくなります。

 

「贈与税の基礎控除」とは、毎年110万円までは贈与税が非課税になる制度です。

生前に資産を継承していきたい方は、110万円の非課税枠を毎年使用して、徐々に資産を移転させていく方もいますが、相続時精算課税制度を利用した場合は110万円の非課税枠を使用することができなくなります。

「小規模宅地等の特例」「贈与税の基礎控除」が使えなくなるのはデメリットですし、とくに相続税負担を大幅に削減できる「小規模宅地等の特例」が使用できないのは大きなデメリットです。

 

生前に土地の名義変更しても良いケース

相続時精算課税制度を使えば贈与税の負担を大幅に削減できますが、デメリットもあることはお伝えしました。

どういったケースだと、生前に土地の名義変更しても良いのか気になる方もいますよね。

ズバリ、こちらに当てはまる方です。

✅ 小規模宅地等の特例が使えず相続税負担が上がっても問題ない
✅ 贈与税の基礎控除110万円が使用できなくても問題ない
✅ 不動産取得税や登録免許税で余分な支出が発生しても問題ない
✅ 生前にどうしても土地を子や孫に継承したい、子や孫名義でマンション・アパートを新築したい。

いかがでしょうか。当てはまりますか?

全てにあてはまるかどうか、という視点から考えてみてくださいね。

もし一つでも当てはまらない項目があれば、生前に土地の名義変更をするのではなく、相続時に名義変更をする方が向いている可能性が高いです。
(相続税は高い高いと言われていますが、税負担は比較的少なくなっています)

 

まとめ

生前に土地の名義変更をすると、贈与税が発生しますし不動産取得税や高利率の登録免許税も発生するので、税負担が重くなかなか選択肢として採用しづらいのが現実です。

早めに資産を次世代に継承していきたいというお気持ちが強い方のみ、相続時精算課税制度を使用して、贈与税の負担を大幅に削減する選択肢もアリということです。

生前に土地の名義変更すると、どうしても税負担が重くなってしまうので、相続時に土地を継承させていくケースの方が多いのが現状ということも知っておいてくださいね。

 

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横川豊

横川豊

公認会計士・税理士

不動産に強い税理士
不動産投資のサポートで、相続不安を解消し個人の将来不安をなくすことを目標にしている。
土地活用コンサルティングが得意で、土地をお持ちの方の財産を守る総合コンサルティングが定評
クライアントからは「最後まで面倒を見てくれる」との声もあり、長期間に渡って付き合っていくという姿勢が評判。

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